輪郭

病気のこと、生活のこと、仕事のこと、日常のこと。

働き始めてからの1年間

働き始めてちょうど1年が経った。まずは、1年間続けることができてほっとしている。続けられている理由の一番は、仕事のレベルを自分に合わせてもらっている、というのが一番大きいと思う。そして、支援してくれる人の存在。家族はもちろん、支援者や主治医、職場の人たちの支えがあるからだと思う。みんながみんな優しいというわけではないけれど、支えてくれる人は確かにいて、優しい人は確かにいる。

そして、今日は退院してから2年半の節目でもある。この半年で主治医が変わり、一時的に調子を崩して変薬も経験した。主治医との信頼関係はそこまでよくはないのだけれど、それでもなんとかなっている。

仕事を始めてみて、自分のレベルに合わせてもらっているとはいえ、「なんとかやれている」と思えたことは大きな自信になった。ろくな社会経験もなく体力的にも精神的にも配慮が必要な自分にとっては本当にありがたいことだと思う。働くということで少しずつ自分を取り戻していくような―大げさに言えば―そんな感覚を持ちながら1年を過ごした。

それでも、特にこの1年間は苦しかった。

精神的な面や金銭的な面での不安やストレスはもちろんある。けれど、それ以上に、就職という形で社会に入って、自分自身の社会での立ち位置や周りからの見方が入院や就労支援施設にいたころとは全く違う形でわかってきた。体力的にも能力的にも以前のように家事や仕事をこなせない自分もわかったし、病気になってから人間関係を築くことのむずかしさを改めて教えられたのもこの1年間だった。働きながら、また働けなくなるかもしれない、社会に戻れないかもしれない―そんな不安が大きく口を開けて自分の横にずっと待ち構えていたような、そんな気がする。

そして、働くようになってわかったのは、いかに病気になる前の自分が自分勝手に、そして何も考えず勉強もせずに過ごしてきたかということだった。周りの人やものを全然大切にできなかったこと、お金や時間に対して何も考えていなかったこと、好きなことに深く努力ができなかったこと―そういったことがありありとわかってきて、今こうして生活しているのが恥ずかしような、そんな苦しさをずっと抱えてきた。

こうした不安はまだまだずっと続いていくのだろうけれど、仕事を続けたりどこかに出かけてみたり、誰かに合うことで少しずつ変わってくればいいと思う。

週明けから2年目の社会人生活になる。仕事を続けることはもちろんだけど、これからもっと自分が続けたいこと、続けられることを見つけていきたい。このブログでも少しずつ書いていけたらいいな。まずは、精神に障害のある人が働くにはどうすればいいかを(時間があれば)書く予定です。