輪郭

病気のこと、生活のこと、仕事のこと、日常のこと。

努力や支えについて―『死んで生き返りましたれぽ』を読んで―

友人がSNSで紹介していた、「竹尾」さんの『死んで生き返りましたれぽ』を読みました。全16話です。詳しいあらすじは書きませんが、何かを突き詰めようとしている方、身の回りにそのような人がいる方に読んでいただきたいなと思います。


日記 - 「死んで生き返りましたれぽ その1」/「竹尾」の漫画 [pixiv]

以下、ネタバレ含むのでたたみます。

自身の体験、特につらい体験を話すというのは、本当にしんどいことだと思うけど、その過程を絵柄の変化とともに丁寧に描いているのが印象的でした。

特に印象に残るのは、その5での妹さんの語りかけ、その11とその13のお医者様の言葉でしょうか。「どんな形でも生きててよかった」「あなたは病気のことを話せるようになった方がいい」「あなたのためにがんばれるのはあなただけです」…ここに書いてしまうと月並みになってしまう言葉がストーリーの中で真に迫ってきます。

 

自分も「研究しかない」と勝手に思い込んで、無理をした挙句、病気になってしまった人間として、その5の妹さんの言葉から「努力」について考えました。自分がしたのは「努力」ではなくてただの「無理」だったのではないか、自分のしている努力は結局自分も周りも幸せにできなかったのではないか、など。これから「努力」が必要になる場面において、周りを幸せにできるかということを考えました。

そして、「支え」について。この作品では家族や友人、上司、医師などの様々な人が、それぞれの距離感で接して、作者もきちんとそれを受け取っている、その関係性が丁寧に描かれていると感じました。作中では「親とうまくいっていないと思った」とありますが、体験によるその心境の変化ももっと感じたいです。その心境も自身と重なる部分があったので、オーバーラップさせながら読みました。

 

いま、チェックしたところ、こちらの作品が書籍化されるそうです。中身の濃い素敵な作品になることを期待しています。勿論、作者さんには無理をなさらないで健康でいてほしいと思います。