輪郭

病気のこと、生活のこと、仕事のこと、日常のこと。

白昼夢。

火曜日に、大学の博物館に足を運んだ。興味のある(というか自分の研究領域と関係のある)展示をしていて、その日が最終日だった。行くと過去のことを思い出しそうで不安だったけど、せっかくの機会なのだからと行くことにした。

展示を見ていると結構人が来ていて、驚きつつも展示された資料や標本に見入っていた。すると見覚えのある人影が視界に入ってきた。

好きな人―正確に言うと好きだったと好きなの中間にいる人―だった。

声をかけようか迷ったけど、偶然ばったりと顔を合わせた。一言二言話しただけで、時間にしてほんの数分だったけど、本当に現実なのかわからない、夢を見ているような気分だった。同時に、すごく驚いたけど、まるでここで会うことがとても自然なことのような気がして、あまり驚かなかった自分もいた。そんな自分にちょっと驚いた。

一年半ぶりの再会。ずっと会いたいと思っていたから、こうして会うことができたのかもしれない。彼女は全然変わらなくてすごく懐かしいような、研究をあきらめてしまった自分がちょっと情けないようなそんな気持ちがした。けれど、すごく温かな気持ちになった、そんな白昼夢のような時間だった。